
不動産担保融資 低金利への対抗
最近、マイホームの価格が安定しているとはいえ、私たちの所得対比では依然として高水準にあります。
そこで住宅需要者がマイホームを取得する場合には、何らかの借入れ(本文では住宅ローン)に依存することが常識となっています。
一方、マイホーム実現のための〈住宅ローン〉は多様化し、しかもその内容も複雑になってきています。
たとえば住宅金融公庫融資でもさまざまな融資があり、一つ一つの融資も内容が複雑になっているし、民間ローンにしても金利体系として変動型から固定選択型までさまざまです。
このように多様化複雑化した〈住宅ローン〉の仕組みを一つ一つ解きほぐし、非常にわかりやすく解説してあります。
項目によっては説明も複雑な場合もありますが、これは仕組みそのものが複雑なためであり、よく読んでいただければ、なるほどとご理解できるはずです。
住宅ローンのなかでも需要者が利用しやすい公的融資を中心に解説してありますが、その内容はホームライフ社の西村俊一氏が執筆しています。
私としても、これほどくわしく、しかもわかりやすい〈住宅ローン〉の解説書はほかにないものと自負しております。
ぜひともご熟読いただきたいと思います。
金利の変更は頻繁に起こることなので致し方ないとしても、制度が変われば原稿内容そのものが通用しなくなります。
初版は平成10年1月に発行されましたが、同年10月から公庫融資において融資制度が大幅に変わり、同年12月には新制度の内容を盛り込んだ改訂版を発刊しました。
さらに政府の景気対策の一環としてのさまざまな優遇措置なども加えられました。
このたびの第2次改訂版の発刊に際しては、そうといった優遇措置も含め、平成11年度の新内容を盛り込んだ形で、加筆修正を行うことにしました。
住宅を取得するには、多額の資金が必要です。
手持ちの自己資金だけでマイホームを手に入れる人は少なく、多くの人は何らかの形でお金を借りて、不足分を補っています。
親や知人などから借金をする場合もあるでしょうが、住宅金融公庫(以下、公庫)などの公的な金融機関や、銀行などの民間の金融機関などから借りるケースがほとんどです。
このようにマイホームを取得するために、〈住宅ローン〉を利用するケースが多いのですが、ここで、〈住宅ローン〉そのものの意味を説明しておきましょう。
住宅ローンというのは、そもそも銀行などの民間の金融機関が行う、住宅に対する融資のことを指します。
これに対して公庫などの公的機関によるものは、住宅融資といっています。
つまり、厳密には公庫の住宅ローンを利用して……などとはいわないのです。
むろんローン=融資ということで、両方ともに同じ意味ですが、一般的には住宅ローンと住宅融資に使い分けています。
本書においても、その使い分けにしたがって記述することにしましょう。
ただし、民間、公的に関わらず、広い意味で住宅に対する融資のことをいう場合には、<>付きの〈住宅ローン〉ということにしたいと思います。
その理由は、住宅ローンという言葉が日常会話として広〈使われているからです。
単に住宅ローンと記している場合には、民間の金融機関の住宅ローンのことをいい、〈住宅ローン〉では広い意味の住宅に対する融資のことを指すのだと理解しておいてください。
{住宅ローン}のメリットは?〈住宅ローン〉は、住宅の取得(購入や建築等)に必要な資金の一部を金融機関が融資するというものです。
多額の資金が借りられ、しかも返済期聞が長く、さらに金利が低いことなどが大きな特徴になっています。
おそらくあらゆる種類のローンの中でも、最も有利な融資条件のローンだといえるでしょう。
ただし、〈住宅ローン〉はだれでもが簡単に利用できるものではありません。
年収や年齢といった形での返済能力が問われると同時に、購入する物件や建築する建物に対して抵当権が設定されたりします。
抵当権というのは、いわば担保のことで、平たくいえば借金のカタです。
金融機関としては、長期間に多額の資金を低い利息で貸すことになるわけですから、危険負担をなくすためにも返済能力などを問い、抵当権も設定するのです。
したがって、それだけ手続きの仕方が若干複雑になり、関係する書類もさまざまに必要になってきます。
つまり、多額の資金を低い金利で長期に借りることができる――その〈住宅ローン〉のメリッ卜を生かすために、多少の努力が必要だということになる点でしよう。
自らの住宅を取得するためのローン〈住宅ローン〉の種類については、『基礎知識編H』以降で詳しくふれますが、その目的は、あくまでもマイホームの取得のための融資です。
アパートのような賃貸住宅を取得する場合には、〈住宅ローン〉を活用することはできません。
民聞の金融機関などではアパートローンとして設定しており、それを利用することになります。
なお、ここでいう住宅の取得というのは、購入または建築によって自ら居住する住宅を子に入れることです。
その対象としては、以下のようなケースがあげられます。
@新築マンションの購入、A中古マンションの購入、B新築一戸建て住宅(建売分譲住宅)の購入、C中古一戸建て住宅の購入、D一戸建て住宅の建設(新築)、Eマンションのリフォーム(増改築補修等)、Fセカンドハウスの購入および建設、などが対象です。
お金を借りたら返す――これは、しごく当たり前のことであり、〈住宅ローン〉を利用する場合でも、当然、返済がともない、借りたお金の他に利息も払うことになります。
つまり、元金返済分+利息分=返済額という形で毎月返済していくわけですが、この毎月返済額に関係するのが、借入額、金利、返済期間です。
まず借入額。
金融機関からみれば融資額ということになりますが、これが多額になればなるほど毎月の返済額は多くなります。
また返済金利の方は、利率が高ければ高い、これまた毎月の返済額は増大します。
そして返済期間では、長期になればなるほど、毎月の返済額の方は少なくてすみますが、返済総額としては多くなります。
こうしてみると、できるだけ低い金利で借りる方が有利なのは、当然のことですが、金利はその時の経済的な状況によって、目まく。
るしく変動します。
そこで金利が低い段階で推移している時期に合わせて、住宅の取得計画を実行に移す必要があります。
準金利の動きを示したものですが、平成6年12月時点で年利4.35%だったものが、以後、多少の変動はあったものの、同11年5月時点では2.40%まで下がってきています。
1.95%はどのタウンですが、ちなみにその金利差を金額に置き換えるとどのくらいになるのでしょうか。
融資額1,000万円で返済期間10年とすると、金利4.35%で毎月返済額は10円。
その差は9,101円で、返済総額においては109円強の差になります。
いかに低い金利のときが有利なのか、おわかりいただけるでしょう。
返済期聞をどのくらいに設定すればよいかもたいへん重要なポイントです。
むろん、短い期間に設定できれば、それに越したことはありませんが、必要とする資金が多額になることと月々の返済能力の関係から、どうしても長期にならざるをえないケースが多いでしょう。
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